J2ベガルタ仙台が執念の勝ち点「1」をもぎ取った。徳島ヴォルティスに1-1の引き分け。1点ビハインドで迎えた後半12分。DF真瀬拓海(24)がヘッドで同点弾を突き刺した。前半41分にMF遠藤康(34)が2枚目のイエローカードで退場。数的不利な戦いを強いられたが、価値あるドローに持ち込んだ。プレーオフ圏内(3位~6位)の4位をキープ。次節は25日、3位ファジアーノ岡山と「上位対決」に挑む。

真瀬が執念の同点ゴールを決めた。0-1の後半12分だ。DFキム・テヒョン(22)が入れたパスに打点の高いヘディングで合わせた。ボールは左ポストに当たりながらゴールネットへ。値千金の一打でチームに息を吹き込んだ。「自主練で(ゴールの)中に入って、ヘディングの練習はしていた。その成果が出たと思います」とうなずいた。

逆境だった。前半41分に2枚目のイエローカードで遠藤が退場。10人となり、数的不利な状況での戦いを強いられた。後半4分には先制点を献上。流れは完全に徳島だった。「(人数が)1人少ない状況で、全員が粘り強く戦って勝ち点1を取れたことは良かった」と振り返った。

「矛盾対決」? だった。仙台は今季リーグ最多の65得点をマークし、一方で徳島はリーグ最少の27失点。「鉄壁の守り」を、1人少ない10人でこじ開けた。6日に就任した伊藤彰監督(49)のホーム初采配を白星で飾れなかったが、価値ある勝ち点「1」を手中に収めた。指揮官は「後半は我々の持っているプランを遂行してくれた。シーズン終盤で勝ち点3を取りに行かないといけないが、人数が1人少ない状況で、勝ち点1を取れたことは素晴らしいことだと思います」と選手たちをねぎらった。

今季はここまで37試合を消化し、17勝8分け12敗。勝ち点「59」でプレーオフ圏内の4位をキープする。それでも、7位山形とは同4差と拮抗(きっこう)する。残り5試合。1勝が、1敗が命運を左右する。次節は25日、アウェーで3位岡山との「上位決戦」に臨む。真瀬は「目の前の相手に勝ち続けるしかない」と言葉に力を込めた。【佐藤究】