鈴鹿のFWカズ(三浦知良、55)が、4年ぶりに元ホームの京都で試合出場を果たした。4日の三重ダービーで右太もも痛から3カ月半ぶりに復帰して以来、5試合連続交代出場。1-0リードの後半42分にピッチに立つと、退場者がでて10人になっていたチームで守備にも奔走した。チームはアディショナルタイムの失点で4試合ぶりの勝利を逃した。

カズは試合後のインタビューに応じ、「1人少ない中、効果的なプレーができた。(勝ち点)3ポイントは逃したが1ポイントはとれたのは次につながる。今日は鈴鹿から、京都から、全国から多くのサポーターが集まってくれた。本当にありがとうございました。次は国立で試合なのでいい準備をしたい」と話した。

三重の会場が使えず、ホームながら今季初の県外試合となった試合。1999年~2000年まで1シーズン半Jリーグの京都に在籍したカズにとっては、思い出の地でもある。「自分がプレーしたし、楽しみだね」。カズの「凱旋(がいせん)」にファンも集まった。観客数は5682人。今季開幕戦(四日市市陸上競技場)で記録したチーム史上ホーム最多の4620人を大きく上回った。

会場のサンガスタジアムは20年に完成したばかり。もちろん、ピッチに立った経験はないが「サッカー専用というのがいいし、新しいスタジアムでプレーできればうれしい。JFLでもJリーグのスタジアムでやれるのは幸せなこと」と話していた。

復帰して以来、プロ生活37年目、日本リーグ時代の読売クラブ(現東京V)入り以来33年目の日本でのプレーで「初もの」が続いている。14日のホンダFC戦では初めて地元静岡のエコパでプレー、11日の高知ユナイテッド、17日のホンダロック戦では、高知と宮崎の両県で初めてリーグ公式戦に出場した。この日もサンガスタジアムを初体験。「いつも初めてというのはうれしい」と話した。

次戦となる10月9日のクリアソン新宿戦は新しくなった国立競技場での開催。Jリーグ開幕戦や日本代表戦など旧国立では数々の伝説を残したカズだが、東京五輪のために新装された国立のピッチに立てば、これも初となる。「やっぱり国立は楽しみ。元気な姿を見せたい」と日本サッカーの「聖地」での出場とリーグ戦5年ぶりのゴールに意欲をみせていた。