10月1日開催予定のJ1「静岡ダービー」清水エスパルス対ジュビロ磐田が28日、中止された。Jリーグと両クラブが正式発表した。台風15号による豪雨災害の影響で、静岡市清水区で断水が続いている。同区内の試合会場・IAIスタジアム日本平では、周辺道路に土砂崩れがあり、来場者の安全確保や試合進行が困難と主催者が判断した。なお、代替試合開催日とチケット払い戻しなどの取り扱いについては、決まり次第発表される。

伝統の一戦が予期せぬ形で延期となった。過去には2011年の東日本大震災でリーグ戦が開催できなかったことはあったが、水害での中止はクラブ初だという。清水の選手らは練習前に知らされ、この日は午後2時から通常通りのトレーニングをこなした。MF竹内涼(31)は「現状を考えると、それどころではないというのが本音。今は困っている人を助ける方に力を注いだ方がいい」と率直な思いを明かした。

今夏清水復帰のFW北川航也(26)にとっては、3年ぶりの静岡ダービーだった。「楽しみにしていたが、この状況で無理やり開催するべきではない」。北川の自宅にも断水被害があることを明かし、「こういう時こそ協力して頑張っていきたい」と訴えた。

清水の次の公式戦は、10月8日のアウェー川崎F戦。被災した地元市民を勇気づけるためにも、負けられない一戦だ。北川は「勇気や元気を届けるためにも、しっかりといい準備をしたい」と強い決意を口にしていた。【神谷亮磨】