JFL鈴鹿ポイントゲッターズのFWカズ(三浦知良、55)が、11年ぶりに国立競技場に帰ってくる。9日に国立でクリアソン新宿と対戦する鈴鹿は7日、雨中で2時間練習。兄でもある三浦泰年監督は「聖地での試合は特別。経験豊富なカズを先発復帰させるチャンスかも」と5月15日以来の先発起用を示唆した。

カズにとって、国立は特別だ。93年のJ開幕戦をはじめ、多くの伝説を残してきた。J1最多20得点(32試合)、日本代表でも国際Aマッチ歴代最多の29得点(22試合)を挙げ「やっぱり、特別な場所」と話す。

東京五輪前の19年に行われたこけら落としイベントでは、ピッチに第1歩をしるした。「ここで試合するのを楽しみにしている」という願いが、3年後にかなう。J2横浜FC時代の11年以来の国立での試合で、もちろん新しい国立は初だ。

もっとも、戦列復帰して以来5試合連続交代出場のカズは慎重。「先発で出ていないから、できるかどうか分からない」と起用法への不安も明かした。三浦監督も「本人の負担にならないよう、状態を見て先発させるかを決めたい」とギリギリの判断を明かした。

すでに入場券は1万5000枚が売れ、08年栃木SC対FC刈谷で記録されたJFL最多観客数1万3821人の更新は確実。「いつもと変わらない。会場に行ったら違うかもしれないけどね」。高ぶる気持ちを抑えるように、カズは淡々と話した。【荻島弘一】