J2新潟が6年ぶりのJ1復帰を決めた。引き分け以上でJ1自動昇格圏内の2位以内が決まる仙台戦に3-0で勝利して勝ち点を81に伸ばした。3試合を残す3位岡山(勝ち点69)との差を12に広げた。

就任1年目の松橋監督は「最後にどこにいるかが重要」と、最終節の10月23日に向けてチームを強化した。昨季は開幕13戦無敗とスタートダッシュに成功しながら、後半戦からその戦い方を相手チームに研究されて失速。6位でJ1昇格を逃した。

その反省からか、松橋監督は「一戦一戦、大事にやっていくだけ。そのスタンスは変わらない」と言い続け、目の前の試合に集中。そのブレない姿勢で最終節を待たず、2試合を残して目標のJ1復帰を決めた。

トップチームの監督1年目の指揮官は、前任のアルベルト監督(現J1東京)が2年間で植え付けたポゼッションサッカーを継続。その上で「前を向く姿勢」を選手に求めた。GK小島亨介(25)を含め、最終ラインから丁寧にパスをつないで敵陣に攻め込み、ボールを失ったとしても即時奪回。攻撃は単発に終わらず、2の矢、3の矢を放って厚みを持たせた。

シーズン途中に背番号10のMF本間至恩(22)がベルギーのリーグに移籍し、けが人が多く出た中でもチーム力が大きく落ちることはなかった。松橋監督は「全員が戦力」と、毎回のように先発を入れ替えながらも結果を残した。この日の昇格の懸かった一戦で、左サイドバックに主将のDF堀米悠斗(28)ではなく、DF渡辺泰基(23)が先発したのは象徴的か。

2位横浜FCのように20得点以上を挙げた絶対的なエースFWはいなかったが、リーグ最多のチームの得点数を誇り、日替わりでヒーローが誕生した。どこからでもゴールを奪えるのが今季の新潟の強み。Jリーグ屈指の集客力を誇る新潟が、多くのサポーターの前でJ1復帰を果たした。