セレッソ大阪のエースFW加藤陸次樹(むつき、25)が、22日のルヴァン杯決勝(東京・国立競技場)のピッチに先発で立つ。

C大阪は5大会ぶりの優勝を目指し、サンフレッチェ広島と対戦する。加藤にとってユース時代に在籍した古巣広島とは、この2年間の公式戦で5度対戦しながら1勝4敗、自身はノーゴール。6度目の正直で得点を奪えば、自身の初タイトルにも近づく。

18日の取材で、178センチの本格派ストライカーは「広島の守備はうまいし、僕の特長を知っている。それでも、マジで点を取りたいです」とコメントした。

埼玉・熊谷市生まれの加藤には、双子の兄威吹樹(いぶき)がいる。兄が大好きな漫画「キャプテン翼」の立花兄弟のように、地元では「加藤ツインズ」として有名だった。

2人は広島ユースまで同じで、加藤は中大に進んでJ2ツエーゲン金沢でプロになった。左利きのセンターバックの兄は、法大を経て現在は関東1部リーグ南葛SCの主力に。16日の公式戦で敗退したため、南葛SCの来季JFL昇格の可能性は消滅した。双子Jリーガー誕生の夢は、もう少し先にお預けとなった。

「その試合後にも連絡しました。威吹樹の試合はYouTubeで見て、いつも応援している」という加藤は、サッカーの実力では兄の先を歩いてきたが、決して順風満帆ではなかった。

広島ユースの高校3年時には、プレミアリーグ西地区で得点王に。それでもトップ昇格はかなわず、中大卒業の4年後も入団できなかった。

広島ユース時代のコーチだった村山哲也さん(48)は「パスを受ける、パスを引き出す能力、特にボールを持っていないところでの動きがうまい。ただ、最後の得点するところので、力強さが少し足りなかったと思う」と当時を振り返る。

それが金沢に入団し、42試合13得点とブレーク。わずか1年でJ2を卒業し、C大阪へと引き抜かれた21年のリーグ戦は35試合7得点。引退した大久保嘉人の背番号20を受け継いだ今季は、ここまで25試合6得点(公式戦39試合11得点)。

いずれもチーム最多の得点数で、大久保をほうふつさせるゴール前へ、迫力ある飛びだしが目立つ。J1でも才能が開花し始め、村山さんは「自分でいくところは行き、決めるところで決められるようになった。運動量も増えた」と成長を認める。

広島は16日の天皇杯決勝で敗れた。MF満田らユース時代の仲間の全力プレーと悔し涙に、「感動した」という加藤は「次は自分がお世話になった人、サポーター、小菊監督、スタッフを喜ばせたい」と意気込む。次期日本代表入りを狙う背番号20が、昨年準優勝に終わった舞台で一世一代の勝負に臨む。【横田和幸】

◆加藤陸次樹(かとう・むつき)1997年(平9)8月6日、埼玉・熊谷市生まれ。クマガヤSCから広島ユース、中大、J2金沢を経て21年C大阪へ。J1通算60試合13得点。178センチ、69キロ。