鈴鹿FWカズ(三浦知良)が、自身が持つJFLの最年長出場記録を55歳239日に更新した。

奈良戦で1-1の後半31分に出場。8戦連続の途中出場となった。シュートは0本に終わったが、JFL史上2位の観客1万4202人を集めた競技場を爆発的に盛り上げた。

強烈なカズ効果を発揮した。奈良のホーム試合で過去最高は9月24日V大分戦の5261人だった。その3倍近くが詰めかけた。JFLの1位記録もカズが国立に帰ってきた今月9日新宿戦の1万6218人。絶大な人気をあらためて示した。

カズは「サポーター、ファンが集まるほど、緊張感あるいいゲームができる。いい雰囲気の中で、選手としては幸せだった」と奈良のファンに感謝した。さらにJ3参入を目指す奈良に向けて「(参入条件としてホーム動員の)観客数のノルマがある中で、それをクリアできたのはクラブ、そして奈良(県民)の努力の成果だと思う。残りも緊張感を持ってやってもらいたい」とエールを送った。

今季限りの引退を表明した横浜FCの元日本代表MF中村俊輔にも触れた。「発表の1週間前に会って『引退します。ありがとうございます』と。本人の意思なんで、それを尊重したい。2シーズン(横浜FC)で一緒にプレーできたのは大きな宝物。ただ、もっと一緒にプレーしたかったのが残念」と惜しんだ。

カズはまだまだ終わらない。試合前のイベントに参加した元日本代表MF木村和司氏に以前、「死ぬまで(現役を)頑張れ」と激励されたことを受けて「もう死にそうですよ」。ジョークを返しつつ「大先輩に言われたらね、刺激になりますよ」。来季に向けては「(シーズンが残る)今の状況で話すことはない、話す時がきたらきっちり話します」とした。【実藤健一】