J2のFC町田ゼルビアは14日、サガン鳥栖元監督の金明輝氏(41)のヘッドコーチ就任を発表した。同チームは来季から、高校サッカーの名門、青森山田の黒田剛監督が指揮する。

金氏はこの日、クラブを通じて「チームが掲げるJ1昇格という目標を勝ち得るため監督、選手、スタッフと共に戦っていきます」とコメントした。

同氏は昨年12月30日にJリーグから選手やスタッフへの行き過ぎたパワハラ行為があったと認定され、今年1月、鳥栖監督を契約解除された。昨年6月下旬には、練習中に選手に足払いをしリーグ3試合の指揮資格停止処分を受けたが、同8月14日の浦和レッズ戦から指揮に復帰。第三者委員会の調査を経て、さらなる処分は不要となっていた。

しかし、その後、選手らに対して継続的に暴力、暴言といったパワハラ行為に及んでいるとの告発文書が協会に届いたことから、Jリーグの独自調査が行われた。その中で複数選手やスタッフ、過去に指導したユース時代も含めて、胸ぐらをつかむ、平手打ち、突き飛ばすなど激しいパワハラ行為を受けた生々しい暴言や暴力の事実が判明した。

当時のJリーグ・村井満チェアマンは「動機のいかんによらず、理由のいかんによらず、ハラスメント、暴言や暴力はいっさい許されないということをJリーグとしては確認したいと思っております」と言及する騒動に発展していた。

日本サッカー協会は今年3月、指導者ライセンスをS級からA級に降級することを決定。Jリーグの監督に必要なS級からの降格は初めてだった。さらに、研修と社会奉仕活動への参加も課された経緯がある。異例にも映る新体制になった。