2大会前の王者・山梨学院が、優勝候補の神村学園(鹿児島)に大健闘したが、2-3と敗れた。就任1年目の車いすの監督、羽中田昌氏(58)が自らもプレーした全国選手権の舞台に「監督」となって40年ぶりに帰ってきたが、惜しくも全国1勝はならなかった。

ドイツの名門ボルシアMG入りする福田師王(3年)、セレッソ大阪入りするMF大迫塁(3年)という世代を代表する選手がそろう神村学園に対し、電光石火の先制点を奪った。

前半4分、左サイドからFW野田駿人(3年)が中央へクロスボールを入れると、右サイドから走り込んだMF五十嵐真翔(2年)が頭で合わせた。

守ってもDF歳藤稜久(3年)がマークする福田を封じ、GK広瀬大翔(3年)がファインセーブ。序盤は試合の主導権を握った。

神村学園は前半途中で早々と「10番」を背負う1年生のMF名和田我空(1年)を投入。ここから流れが変わった。

前半35分、ゴール前に押し込まれた展開からFW福田にはシュートを打たせずつぶすことができたが、そのこぼれ球を後方にいた名和田に右足で蹴り込まれた。

さらに3分後、連係パスから巧みなターンで縦へ抜け出したFW福田が、DFのチャージを押さえ込みながらドリブルで持ち込み左足シュート。これを決められた。

後半も攻め込まれる展開が続いたが、ゴール前を固めて耐えた。そして迎えた25分、攻勢に転じた。ペナルティーエリア内で相手の後方からのチャージを受けて倒された。PKの絶好機。これを27分に主将のMF宮岡拓海(3年)が冷静にゴールし、同点とした。2-2と追いついた。

だが後半39分、クロスボールからFW西丸道人(2年)に頭で勝ち越し点を奪われた。アディショナルタイムも攻勢に出て、最後まで好機をつくったが惜しくも1点及ばなかった。