神村学園(鹿児島)はドイツ1部ボルシアMGに加入するFW福田師王(3年)が決勝ゴールを決めた。

運良きエースストライカーに決定機は訪れた。同点の後半20分。FW西丸のシュートを相手DFがブロック。こぼれ球を福田が左足のアウトサイドで鮮やかに流し込んだ。「打てば入ると思って、ちょこんと」。フランス代表FWエムバペのポーズをさく裂させ、ドヤ顔も決めた。

日頃の行いが決勝弾を生んだ。「『絶対に決める』気持ちを持ちながら行動してます」。行動とは毎日欠かさずゴミを拾うこと。前日3日はお菓子のゴミを拾った。「日頃からゴミを見つけるようになりました」と、習慣になった。徳を積み、こぼれ球が福田の前に現れたのは必然だった。

2年前、有村監督に言われた。「人として変わりなさい」。他人をからかう性格にくぎを刺された。「自分、人間性が悪いんですよ。人をイジるのはよくないなって」。高1の時にゴミ拾いを習慣にした。「人間性をよくしていかないとサッカーも比例して伸びていかない」。効果が出ても「今日は拾ってないので、今からホテルに帰って見つけます」。準決勝、決勝への“仕込み”もやる気満々だ。どうしても拾えないゴミは、捨てられたマスク。「マスクはコロナが怖いからちょっと…」。あどけない笑顔は高校生らしかった。

4強入りは同校史上最高タイで16大会ぶり。ドイツ1部ボルシアMGに加入する福田は今大会2得点目だが、まだ暴れ足りない。「国立は憧れていた舞台。爆発します」。高校サッカーの聖地に、世代NO・1ストライカーが乗り込む。【只松憲】

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