世代NO・1ストライカー、FW福田師王(しおう、3年)の冬が終わった。

初の決勝進出を狙った神村学園(鹿児島)は、岡山学芸館とのPK戦の末に準決勝で敗退した。

ヒーローになりかけた。0-1の前半38分。相手GKがはじいたボールを、ゴール前にいた福田が冷静に押し込んだ。今大会3得点目。その後は打ち合いとなって、90分間で3-3と勝敗つかず。PK戦では2人目と3人目だった福田が失敗し、万事休した。

試合後は自分を責めた。「チームメートや先生たちに申し訳ない。まだまだ出来たと思うし、得点力も足りないし、怖い選手でもない。何もできずに悔しい大会でした」。普段は陽気な青年が、この日ばかりは下を向いていた。

それでも、未来の日本代表入りが期待できる活躍だった。初戦の山梨学院戦ではドリブルで約40メートルを独走し、豪快なシュート。大会で最も注目された選手だった。ドイツ1部のボルシアMG加入が決まっているため、今後は日本を離れる。「また代表だったり、そういう形で関わっていけたらうれしい。頑張るだけです」。高卒からダイレクトの海外挑戦は険しい道だが、パイオニアとなって26年W杯を目指す。

「半端ない」大迫勇也と同じ姓を持ち、同じ鹿児島出身のMF大迫塁(3年)はこの日1ゴール1アシスト。C大阪入りが内定している。大迫は「(福田と自分は)日本のサッカーを引っ張っていかないといけない2人。自信を持ってやっていきたい」と、引き締めた。神村が生んだ金の卵たちは、新たなステージに向けて羽ばたく。【只松憲】

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