ベルギー1部シントトロイデンの元日本代表MF香川真司(33)が、C大阪に電撃復帰する方向で調整していることが28日、分かった。シントトロイデンを今冬で退団することが確実となり、現状で欧州の他クラブからオファーがないとみられ、近くC大阪と最終交渉に入る見込みだ。Jリーグ復帰となれば、C大阪からドルトムントに移籍した10年6月以来、12年半ぶりになる。

ギリシャ1部PAOKと21年12月に契約を解除した香川は、1年前にシントトロイデンへ移籍。古巣C大阪からは20、21年と2年連続で復帰要請を受けていたが、W杯カタール大会が終わる22年12月までは、欧州で挑戦を続ける意思を曲げなかった。

そのW杯も3大会連続の出場とはならなかった。今季のベルギー1部では、12試合2得点と好スタートを切ったが、昨年11月に慢性痛の左足首を手術し、今月22日のヘント戦で復帰したもののベンチ要員に終わっていた。

関係者によると、故障箇所のリハビリや、3月に34歳を迎える年齢面を考えても、現役生活の最終盤となる所属クラブとして、C大阪を最優先に考えているという。C大阪の指揮官は、高校時代の香川をスカウトした小菊昭雄監督(47)で、香川が最も信頼し、尊敬する人物だ。これ以上の環境はない。

この数年は満足いく結果が残せなかったものの、21歳で挑戦したドルトムントを皮切りに、マンチェスターUなど世界のビッグクラブで活躍し、日本人選手の価値を高めてきた香川が、最も愛するC大阪へ復帰する可能性が高くなった。

◆香川真司(かがわ・しんじ)1989年(平元)3月17日、神戸市生まれ。高校時代に所属したFCみやぎバルセロナ時代にC大阪にスカウトされ、06年入団。10年7月からドルトムント、マンチェスターU、ドルトムント、ベシクタシュ、サラゴサ、PAOKなどに所属。08年北京五輪、W杯は14年ブラジル、18年ロシア大会代表。国際Aマッチ通算97試合31得点。175センチ、68キロ。