藤枝MYFCがかつての名門を粉砕した。ホームでジェフユナイテッド市原・千葉に3-1で完勝。MF横山暁之(26)の開幕戦以来となる8試合ぶりゴールで先制すると、FW渡辺りょう(26)が2得点。エースの今季3度目となるマルチ弾で圧倒し、3試合ぶりの白星を挙げた。清水エスパルスは1-1でベガルタ仙台とドロー。ジュビロ磐田も1-1で首位FC町田ゼルビアと引き分け、ともに今季初の連勝とはならなかった。

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快勝だった。藤枝は前半に2得点。後半も攻撃の手を緩めずさらに1点を追加した。ロスタイムにセットプレーから1失点するも、攻守の切り替えやチームの連動性で終始相手を圧倒。J2初参戦の新鋭は、93年のJリーグ開幕から参戦している古豪を実力でねじ伏せた。

背番号「10」が口火を切った。前半12分、味方からのパスを受けた横山が右足を振り抜いた。ダイレクトで放った約20メートルのミドルシュートは鋭く曲がりながらゴール右隅へ。開幕戦以来となる8試合ぶり今季2号で勢いづくと、エースも黙っていなかった。

同40分、1本のパスで相手の背後を突いた渡辺がGKと交錯しながらも、右足で押し込み、チーム2点目をマーク。後半12分にもGKとの1対1を冷静にゴール左隅に流し込んだ。1試合2得点は今季3度目。ここまで9戦7発と勢いは止まらず、得点ランクも単独トップに躍り出た。

8日のホーム・ファジアーノ岡山戦は後半ロスタイムに失点し、痛恨のドロー。中3日での過密日程にも須藤大輔監督(45)は選手にさらなる奮起を求めた。前節から先発の変更も1人のみ。ボールを保持する同様のスタイルを目指す相手に真っ向勝負を挑んだ。指揮官は「オリジナル10の相手に自分たちのサッカーができれば自信になる」。チーム戦術での成熟度でも相手を全く寄せ付けなかった。

今季先制した試合はいずれも複数得点を挙げ、4戦全勝。超攻撃的スタイルの必勝パターンで価値ある1勝を手にした。【神谷亮磨】