北海道コンサドーレ札幌MFスパチョーク(24)が来日初ゴール含む2発で勝利に導いた。

前半8分に先制点、1-1の後半8分に決勝の勝ち越し点を決めた。タイから初来日した両親と親族の前で待望のゴール。同12分にはFW菅大輝(24)が3点目、同38分にFWミラン・トゥチッチ(26)が4点目を追加してリードを広げた。A組2勝1分け1敗で単独2位となり、5年連続の1次リーグ突破へ前進した。

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スパチョークが待望の来日初ゴールを決めた。昨年6月に加入して2シーズン目。背番号49は力強いガッツポーズで喜びを表現し、駆け寄る仲間からの祝福を受けた。前半8分、ペナルティーエリア左から右足を振り抜き、ゴール右へ決めて先制点をもたらした。同23分に追いつかれ1-1で迎えた後半8分、右足シュートで勝ち越し点を奪った。初めてヒーローインタビューに登場し「勝利が大事な試合だったので、自分が貢献できたらと思ってピッチに入った。アリガトウゴザイマシタ」と笑顔を見せ、サポーターからの拍手を浴びた。

リーグ戦は2試合途中出場でプレー時間はたったの計11分。ルヴァン杯は先発2戦目。なかなか出場機会に恵まれないなかで「試合に出たい」と口にしながら、我慢強く出番を待っていた。3月はタイ代表活動に参加して一時チームを離れた。国際親善試合2試合に先発して「プレーする時間が長く、試合勘が戻せて良かった」。自信を取り戻していた。遠征疲れによるコンディション調整と向き合いながら、チームへの順応を見せていた。

特別な試合だった。両親と伯父夫婦が2日前に初来日。札幌・宮の沢での前日練習も見学し、この日札幌ドームで初めて観戦した。「チェック(愛称)にゴールを決めて欲しいわ」とエールを送っていた母の願いを、目の前でかなえた。2日前には海鮮を食べ、前日にはパパイアサラダなどタイ料理を一緒に作って食べた。試合前日だったため、スパイス抜きにしたという。家族の前での活躍に「うれしい。得点できて今日みんな一緒にいて素晴らしい」と喜んだ。

「プレッシャーから解放された」と安堵(あんど)の表情を見せ「これから得点を重ねていきたい」と意気込んだ。23日リーグ戦のホームアビスパ福岡戦も家族が観戦する予定。次はリーグ戦初ゴールを狙う。