清水エスパルスが貫禄勝ちした。ホームで藤枝MYFCを5-0で粉砕。FWチアゴ・サンタナ(30)の先制点を口火に前半だけで4得点。後半は藤枝の反撃をシャットアウトした。秋葉忠宏監督(47)就任後のチームは8戦負けなし(6勝2分け)で5位に浮上。藤枝は今季2度目の3連敗となった。磐田は4-2で群馬を退け、今季初の連勝を飾った。

   ◇   ◇   ◇

清水のエースが「先制パンチ」を浴びせた。前半3分、サンタナがゴール前の混戦から左足のつま先シュートで先制点。早々に「ダウン」を奪うと、速攻の「連打」で一気に相手を追い詰めた。同14分にはFWカルリーニョス・ジュニオ(28)がPKを右隅に沈めて2-0。サンタナの負傷交代で途中出場したFW北川航也(26)がゴールラッシュの流れを呼び込んだ。

同16分、自陣からのカウンターから右足で追加点。「いい形で取れた」と、チームの狙いがはまった。27分には再びカウンターからDF北爪健吾(31)が右足でチーム4点目。前半30分までの4発で相手の戦意を奪った。

前半は圧倒的な攻撃力を見せつけた。秋葉忠宏監督(47)は「後半はいかに省エネで終わらせるかを考えていた」。連戦を見据え、リードを守りながら時計の針を進める戦い方にシフト。後半序盤の押し込まれる時間をしのぎ、さらに「ガード」を固めた。中盤以降は相手と同じシステムに変更。同27分には攻め疲れした相手の一瞬の隙をつき、カルリーニョスのこの日2点目で完全に息の根を止めた。

北川は「こういう戦い方があってもいい。(失点)ゼロに終われたことが今日の収穫」と手応えを口にした。勢いだけではない状況に応じた試合運びでも相手を圧倒。昨季までJ1だった清水が試合巧者だった。

7日のいわき戦は9得点を挙げながらも、1失点。秋葉監督は「前節の宿題を一発回答してくれた。本当に素晴らしい」と手放しでたたえた。監督交代後のチームは6勝2分けの負けなし。8戦29得点と攻撃陣の勢いは止まらない。順位も5位に浮上し、勝ち点4差で追う2位大分の背中を射程圏内に捉えた。目を覚ました清水の強さは本物だ。【神谷亮磨】