エグッ! 新潟のエース、MF伊藤涼太郎(25)がアウェー湘南戦で超絶プレーを見せつけた。0-1の前半30分。中央でボールを受けると左足でシュートを狙うそぶりを見せながら、ゴール前に走り込んだFW谷口海斗(27)に“ノールックパス”を通し、同点弾をアシスト。1-1の後半17分には左CKから谷口のこの日2点目を演出した。後半38分に追いつかれ、2-2で引き分けたが、公式戦連敗は3で止まった。

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エースの必殺ラストパスが、相手守備ラインを切り裂いた。0-1の前半30分。中央でボールを受けた伊藤は、左足でシュートモーションを取りながら、最後はノールックパスをゴール中央に走り込んだ谷口に通し、同点弾を演出した。

「最初は左足で振り抜こうと思ったが、いいタイミングで海斗くんが中に入ってくれ、いくつか選択肢をくれたので、その中で、最善の1番ゴールの可能性あるところを選択した」

1-1の後半17分には左CKから一時、勝ち越しとなる谷口のゴールを導き、今季のアシスト数を4に伸ばした。

お手本とする「ボールの魔術師」をほうふつさせる美技だった。元ブラジル代表ロナウジーニョ好きの伊藤。テクニックと、トリッキーなプレーで対峙(たいじ)した相手を幻惑したファンタジスタのように「遊び心」ある技で攻撃をけん引した。「J1の守備は集中力が高い分、逆にフェイントに食いついてくれる感覚がある。自分の特長は生かせている」と言う。

試合開始早々、ペナルティーエリア内で相手のクロスがDF千葉和彦(37)の右腕に当たりPKを献上。あっさりと先制を許した。1-3で敗れた前節ホームG大阪戦(5月28日)でも前半2分に先制されていた。この日は不運な形で試合をスタートさせる展開にも慌てず、一時は勝ち越した。だが、最後に追いつかれ、勝ち点「2」を失った。それでも松橋力蔵監督(54)は「1度、ひっくり返したところは評価できる」と話した。ドローに持ち込まれたものの、公式戦の連敗は3で止めた。リーグ前半戦最後となる次節(11日)はホームに京都を迎える。

【動画】新潟伊藤涼太郎が美ラストパスで同点アシスト「あまりにも美しい」「超絶スルーパス」と反響

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