J2首位町田と2位東京Vの首位攻防戦が国立で行われ、ドロー決着となった。両チームの勝ち点差は10のまま。前半に2点先行した町田に対して、東京Vが後半に追いつき意地を見せた。J2として新国立で初開催のリーグ戦は、町田のホーム戦最多となる3万8402人の観客が集結。花火や火柱が打ち上がるド派手演出で盛り上がった。悲願のJ1昇格に向けて、ピッチ内外で町田の本気度が伝わる一戦となった。

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「東京クラシック」と銘打たれた一戦。町田の出足の良さが際立った。前半2分、エースFWエリキが背後に抜け出し、GKと1対1に。一度は防がれたが、こぼれ球をFW藤尾が左足で冷静に流し込んだ。電光石火の先制劇に会場の熱気が一段階上がった。

試合の3日前、「首位攻防戦」「同都市対決」「国立開催」以外に試合を盛り上げる要素が加わった。町田が東京V・MFバスケスの獲得を発表。シーズン途中に首位チームが2位チームの主力を引き抜くという“禁断”の移籍劇は、大きな注目を集めた。

今季から元青森山田の黒田監督を招聘(しょうへい)。勝ちに徹するサッカーで、勝負強さを身につけた。18年10月からIT大手の「サイバーエージェント」がクラブの経営に参画し、22年に自前のクラブハウスが完成。今年から「サイバー」の藤田晋氏が代表取締役社長兼CEOに就任し、チャレンジを加速させた。

J2クラブとして改築後の国立で初めてリーグ戦を成功させるなど、J1昇格に向けてピッチ内外で従来とは一線を画す取り組みを展開している。

黒田監督は「去年から生まれ変わり、死ぬ気で本気でJ1を目指していく意気込みを多くの方々が見たいと思って集まってくれた」と感謝した。国立開催を「すごく意義のあるものになった」としつつ「ただ経験ではなく成果を持って帰りたかった」と悔しがった。「もう一回り強くなってこのリーグを終えたい」。

大舞台にふさわしい派手な打ち合いでドロー決着となったが、J1昇格へ、クラブは着実に歩みを進めた。【佐藤成】

◆Jリーグのライバル間の移籍 同一カテゴリーの同じ都道府県に本拠地を置くクラブ間で、主力選手がシーズン中に移籍するのは珍しい。それもJ1昇格を争う上位2チーム同士は異例中の異例だ。J1では14年に大宮不動のボランチだったMF青木拓也が浦和に移籍。同じさいたま市を本拠地とする大宮から浦和に移籍した初のケースだった。18年には元日本代表MF斎藤学が横浜から川崎Fに移籍。移籍金も発生しないなどで、横浜サポーターから批判された。横浜の下部組織出身の斎藤は「恩をあだで返してしまうことになってしまいました」などとコメント。この過去の2例はシーズン開幕前だった。

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