首位のヴィッセル神戸が、アウェーで浦和レッズに劇的勝利した。
前節の10月28日湘南ベルマーレ戦に続き、この試合もMF山口蛍(33)が負傷により欠場。その代役としてボランチ起用された酒井高徳(32)が、獅子奮迅の働きで山口不在を埋め、浦和の攻撃を食い止めた。
湘南戦の途中に右サイドバックからボランチに移ってさすがのパフォーマンスを見せていた酒井は、先発から中盤でプレーしたこの日も鋭い出足と絶妙の予測でセカンドボールに反応。相手に自由を与えず、神戸のスムーズな攻撃につなぐことを90分間やり続けた。
「中盤に落ち着きを与えることはできなかったが、守備のところでしっかり、いるところにしっかりいるっていうことはできたと思う。最低限のポジショニングはできた」。試合後の酒井は、満足というよりも胸をなで下ろすような雰囲気で話した。
この試合に向けて酒井は、10月20日の鹿島アントラーズ戦の映像を見返し、山口のプレーを研究したという。「もちろん蛍にはなれない。でも守備とか走るっていうところでは、蛍と同じぐらい稼働できるかなと思った」。この試合ではその言葉通り、文句ないほどのハードワークぶりでチームに貢献した。
それでも試合中に酒井が感じていたのは、山口の仕事レベルの高さだったという。「(ボランチを)やってみて、あらためて彼のありがたみを感じた。僕は右サイドで出ることが多い中で『こんなとこまで行かなきゃいけないのか』とか、『ここまで来てくれてんのか』っていうのを、やりながらすごく感じた」。圧巻の動きを見せながらも、完全に山口の穴を埋められたとは感じていない様子だった。
本人は満足していなくても、酒井には山口から「最高だった」とメッセージが届いた。山口不在がどこまで続くか不透明だが、酒井のボランチ起用のめどが立ったことは、リーグ初Vを目指して戦う神戸にとって大きなプラス材料と言えるだろう。
本職のサイドバック以外でも貢献度の高いプレーを見せるベテランは「相手関係なく、自分たちの状況も関係なく、残り2試合、同じような戦いをして、みんなで終わられたらいいかなと思います」。最後まで走り続けることを誓っていた。【永田淳】



