ヴィッセル神戸エースFW大迫勇也(33)が、2アシストで2-1の勝利をもたらし、リーグ初制覇を引き寄せた。
前半12分にMF井出にスルーパス、同14分にはFW武藤に左クロスを入れた。今季は全33試合に出場して、得点王争いトップとなる自己新の22得点をマーク。22年W杯カタール大会落選を乗り越え、33歳でMVP級の爆発。日本代表返り咲きを期待させる、半端ないパフォーマンスを披露した。
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やっぱり半端ない。大迫が、勝てば優勝のしびれる試合で2アシストを決めた。前半12分と同14分に巧みなラストパス。味方を生かし、自らゴールに迫り、ハイプレスのスイッチとして走り回った。初優勝が決まると、盟友の武藤と固く抱き合って目を潤ませた。
「このために日本に戻ってきたので最高です。チームとして強くなったと思う。ずっと待っていたと思うので、みんなで喜びましょう」と大声で呼びかけた。
今季の22得点はチーム総得点59点の4割近くにあたる。アシストも7を記録。得点王とMVPの最有力候補といえる働きを見せた。
ゴール量産の理由について「気持ち良くやらせてもらっているから」と言う。
吉田監督から半端ない信頼を受けて輝いた。「戦術大迫」と評されることもあったが、タイミングと角度で巧みに相手を制し味方のクリアもキープする。大黒柱だけに「大迫がけがしたら終わる」。神戸の失速を予想する声はあったが、ここまで全33試合出場。大けがをしないリスク管理に「自分の身体をよくわかっている」と指揮官もうなる。
1年前に失意があった。
22年11月開幕のW杯カタール大会の代表メンバーに落選。代表通算57試合25得点のFWはバックアップメンバーとしてチーム同行も辞退した。自らの意思で、3大会連続W杯の道を断った。その直後、鹿児島城西時代の恩師・小久保悟教諭(55=現鹿児島高)にメッセージを送った。
「もう切り替えました。次に向かって頑張ります」
「次」の意味について「次のW杯を楽しみにしています」と小久保教諭。大迫も、代表入りについて「やっぱり意識しているところはある」と口にしている。
昨季は臀部(でんぶ)に痛みがあって26試合7得点に終わった。「サッカー選手がいいこともあれば悪いこともある。それをいかにパワーに変えられるかが大事。あらためて思った」。代表返り咲きを期待させるほど、抜群のパフォーマンスを見せた33歳は、日の丸を諦めない。【永田淳】
◆大迫勇也(おおさこ・ゆうや)1990年(平2)5月18日、鹿児島県南さつま市生まれ。鹿児島城西高3年の高校選手権で歴代最多10得点を記録して鹿島入り。1年目から出場して13年7月21日の東アジア杯中国戦で日本代表デビュー。14年1月にブンデスリーガ2部1860ミュンヘンに移籍。同1部ケルン、ブレーメンをへて21年8月に神戸に加入。W杯は14年ブラジル、18年ロシアに出場。国際Aマッチ57試合25得点。184センチ、75キロ。



