元日本代表の高原直泰監督(44)が率いる沖縄SV(JFL15位)が、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2位のVONDS市原(千葉)を延長戦の末に2-1と下し、JFL残留を決めた。

今季限りで現役引退する高原監督にとってのラストマッチ。代表取締役という立場からも「クラブの歩みを止めないためにも絶対に負けられない」と強い思いで臨んだ一戦だった。自らも先発メンバーに名を連ね、44歳という年齢を感じさせない献身的なプレーを前半から披露した。

VONDS市原がボールを握り、ボール奪取から沖縄SVがサイドを使って仕掛ける展開。一発勝負とあって互いに手堅く戦った中で、先手を取ったのは沖縄SVだった。後半25分、相手ペナルティーエリア内でボールを奪い返したDF安在和樹がゴールを奪った。

対するVONDS市原も後半32分、エリア内左サイドへ出た浮き球のパスをMF土佐陸翼が落ち着いて流し込み、1-1とした。

90分で決着が付かず、試合は延長戦に突入。高原は延長前半10分までプレーし、途中交代となった。そして同15分、歓喜の瞬間が訪れた。ボール奪取からMF荒井秀賀が前線に走るFW伊集院雷へスルーパス。これを右足で流し込み、勝ち越しに成功した。

地元のサポーターの声援に気持ちも上がる沖縄SV。延長後半も粘り強く戦い、チーム一丸となって守り抜き1点差で勝利。JFK残留とともに、高原監督にとっては25シーズンに及ぶ現役生活が終了した。