浜名(静岡1位)は4-3で帝京可児(三重1位)との打ち合いを制し、来季、15年ぶりのプリンスリーグ(L)復帰を決めた。今冬の全国選手権にも出場する難敵相手に、4選手で4得点。取られても突き放し、1度もリードを奪われずに勝ちきった。今季は1月の新人戦で19年ぶりに優勝。県総体と県選手権で全国出場を逃した悔しさも力に変え、悲願を達成した。

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待ち望んだ瞬間だった。浜名は1点リードのままロスタイムに突入。相手の反撃に耐え、終了の笛を聞いた。ピッチでは歓喜の輪ができた。主将のFW加藤千寛(3年)は人目を気にせず号泣した。「集大成だったので、こみ上げてきた」。最上級生は高校生活最後の公式戦。後輩たちに最高の置き土産を残し、引退試合に花を添えた。

前半29分、右CKからDF細見和志(3年)がヘディングでネットを揺らした。頼れるDFリーダーは「この試合に全てを懸けていた」。細見は藤枝東との県選手権準決勝で延長後半にオウンゴール。「自分が終わらせてしまった」と十字架を背負った。気持ちを切り替えて臨んだ一戦で値千金弾。名誉挽回の1発がチームを勢いづけた。

後半は取られては、突き放す壮絶な展開。21分間で計5得点が生まれた打ち合いでも常にリードした。前日9日に行われた相手の試合をビデオで振り返り、スタッフ総出で編集した。内藤康貴監督(44)は「ほぼ徹夜だった」。試合当日の朝にミーティングを行い、相手の攻撃パターンを分析。メンバーに入れなかった部員の応援も選手の背中を押し、一丸で勝ちきった。

DF白岩勇路(3年)は「絶対に自分たちの代で上げたかった」と胸を張った。プレーオフは2年連続で敗退。加藤も「負けてきた姿を見てきた」と、悔し涙で卒業した先輩の思いも背負って戦い抜いた。今季は1月の新人戦で19年ぶり優勝。古豪復活を印象づけたが、県総体は8強止まりで、今秋の県選手権も準決勝で涙をのんだ。「最後に笑って終われたことが本当によかった」と加藤。来季は15年ぶりのプリンスリーグ東海。笑顔で始まったシーズンを、最後も笑顔で締めくくった。【神谷亮磨】