創部100周年で3大会連続13度目出場の北海が、19大会ぶり勝利を挙げた。大手前高松(香川)とのPK戦を6-5で制し、初戦を突破した。前半10分に先制を許すも、後半6分にFW野村光希(3年)がPKを決めて同点に追いつき、1-1のままPK戦に突入。GK小野寺信(3年)が相手6人目をセーブして勝利を手にした。守護神は「去年、一昨年と自分の目の前で先輩たちが悔し涙を流してきた。全国で勝つことが自分たちの目標だった。すごいうれしい」と笑顔を見せた。

昨年の同じ12月29日に流した悔し涙は、笑顔に変わった。PK戦は両チーム5人目まで全員成功。先攻の北海は6人目も決めて、止めれば勝利。高校公式戦初のPK戦に臨んだ小野寺は冷静だった。相手のコースを読み、右へ思いっきり飛んだ。手でボールをはじくと、仲間が駆け寄り、「勝ったんだな」。歓喜の輪の中心でやっと気を緩めた。

北海は歴代、PK要員のGKがいた。昨年の1回戦も先発は2年生の小野寺だったが、PK戦にもつれると、3年生GKが投入された。だが今年は小野寺に最後まで任せると決めていた島谷制勝監督(54)は、「本当に止めてくれて良かった」とたたえた。

3連覇した北海道大会は、初めて札幌ドームで行ったことで決勝が例年より3週間ほど遅く、12月上旬には初のU-18高円宮杯プレミアリーグプレーオフに出場。試合勘を失わずに臨めたことも大きかった。31日の2回戦では初出場の名古屋(愛知)と対戦する。前回勝利の04年大会は3回戦まで進出。野村は「(2トップを組むFW)田中と崩して、自分が決めたい」と、ゴールへ貪欲だ。【保坂果那】

【日程・結果】第102回全国高校サッカー選手権