被災地の故郷にサッカーで元気な姿を届ける-。1日午後4時10分ごろ、石川県志賀町で最大震度7など「能登半島地震」地震(M7・6、震源の深さ16キロ)が発生した。

星稜(石川)は4失点で市船橋(千葉)に敗れたが、0-1の前半29分に同県野々市市出身のMF山口晴(2年)が一時同点弾。選手らは家族と連絡はとれたが、不安な心情を抱えた中でも最後まで諦めない姿勢を貫いた。応援団は駆けつけられなかったが、スタンドには数多くの友情応援が背中を押した。関東在住の同校OB、日大藤沢(神奈川)や2試合目を控えた岡山学芸館サッカー部員らが、星稜カラーの黄色いポリ袋を着用し、大声援がこだました。

   ◇   ◇   ◇

サッカーファミリーの輪が、応援席を埋め尽くした。星稜は吹奏楽部、チアリーダーら大応援が来るはずだったが、チアリーダーわずか3人、サッカー部員10人ほど。それでも日大藤沢、仙台育英、第2試合を戦う名古屋、岡山学芸館の保護者、千葉県内を本拠とするJリーグのサポーターも駆けつけた。

日大藤沢の応援団長・渡部瑠太(3年)は「星稜の方のSNS投稿を見た瞬間に行こうと」。佐藤輝勝監督の協力も得て、サッカー部の連絡網で約50人の部員が太鼓を持って来場。「心つよく 石川星稜」の横断幕も柏駅でつくった。星稜チームカラーの黄色いポリ袋も大量購入し、ピンクの練習着の上からかぶった。仙台育英も関東に実家があるサッカー部員10人が訪れ、同校応援団の小南貴翔(2年)は「仙台も震災を経験している。やれることはこれしかないと来させてもらった」。対戦相手の市船橋も野球部と女子バスケットボール部から計350個のメガホンを調達し、星稜応援団に貸し出した。

星稜の応援団長・遠藤翼(2年)は「本当にありがたくて…。感動しました」と涙ながらに応援連合軍に感謝した。【岩田千代巳】

第102回全国高校サッカー選手権スコア速報>>