全国高校サッカー選手権の準決勝が6日、東京・国立競技場で行われる。初の4強進出を果たした堀越(東京A)は、同じく初ベスト4の近江(滋賀)と対戦。4試合1失点の守備ラインをけん引しているセンターバック歴1年のDF森奏(かなで、2年)が、FWもこなす二刀流で「新しい景色の先」を目指す。

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森は高校1年までFWだった。1年冬に佐藤実監督がDFへコンバート。守備歴は浅いが、得意の空中戦で4戦1得点に貢献する。昨夏、都リーグ1部で実践学園に8失点する地獄も味わったが、公式戦フル出場を重ねメキメキ成長。はね返すたびに起こる歓声が成長の源で「今は点を取るより守備で拍手をもらう方がうれしい。国立には大応援が来てくれる。燃えるタイプです」と自信を見せた。

FWとしての特技はドリブルからのシュート。都大会の決勝修徳戦では0-1のラスト10分でDFからFWに上がった。同点に追い付きPK戦の末に全国切符をつかみ「負けている状況なら上がります。10分あればチャンスをつくれる自信がある」と二刀流の準備も万全。近江も背番号10のDF金山がCBながら攻撃参加しており、森は「相手の二刀流には負けられない」と闘志を燃やす。攻守で奮闘し、国立で新しい景色の先を見る。【岩田千代巳】