青森山田が近江(滋賀)を3-1で下し、2大会ぶり4度目の優勝を手にした。昨秋から率いる正木昌宣監督(42)が、黒田剛前監督(53=現町田ゼルビア監督)から引き継いで実質1年目に、チームを再び日本一へ導いた。

優勝の瞬間、正木監督の目が潤んでいた。インタビュー中も涙が止まらず「最後まで戦ってくれた選手たちに感謝したい。すごいとしか言いようがない選手達に囲まれて感謝しかありません」と話した。

表彰式を終えた正木監督の会見は以下の通り。

-青森山田OBで、国立で優勝監督になった思いは

正木監督 「母校で指導者をやって選手権を優勝したいという思いで指導者になった。去年、ビックリした形で監督を引き継いで、試行錯誤しながらやってきましたが、報われたなと。感謝しかない」。

-指導者になったとき、優勝は想像していたか

正木監督 「優勝する気持ちで指導者になったが、このような形で出来るとは思っていなかった。黒田前監督のつくったベースがあり、自分はまだ、そこに乗らせて頂いているだけ。1回優勝して欲が出てきそうなので、また来年頑張りたいという気持ちでいっぱいです」。

-終わった後は涙。心境はどうだったか

正木監督 「とんでもない記録や結果を出してきた前監督から引き継いでの監督スタート。ただ、黒田前監督と19年やってきたので、監督といたときもいろんなプレッシャーをかけられていたので(笑い)。それに比べれば、ちょっと伸び伸びできたところもある(笑い)。2年前、(優勝した後の)黒田監督の涙を見て「あっ、泣いてる」と思っていました。自分も泣かない予定でしたが、監督として優勝すると涙が出るんだなと…。選手が走って戦っている姿を見て「もう見られないんだ」と思うと…。優勝より、そっちの方で涙が出たかもしれません」。

-黒田前監督から引き継いだ時、動揺する選手にどう声をかけ導いたか。

正木監督 「間違いなく選手は動揺した。去年の3年が感じて。去年の3年が下を向くことなく全国を戦ってくれたので。特に何かを伝えるのではなく、今までやってきたことを落とすことなく、日常をやろうと伝えて今年のチームはスタートした。動揺ではなく、目標に向かってやってくれたことを我々がサポートしただけ」