今冬の全国高校サッカー選手権ではチームは2回戦敗退も、大会優秀選手に選出された帝京長岡(新潟)のFW堀颯汰(3年)が関大からプロ入りを目指す。2年夏までサイドのチャンスメーカーだったが、同年秋にFWへコンバートされると点取り屋の才能が開花。最高学年で臨んだプリンスリーグ北信越1部では15ゴール(18試合)で得点王を獲得し、昨年12月のプレミアリーグ参入決定戦でも先制点を決めて同校を初昇格へと導いた。大学4年間ではドリブルスキルと得点感覚に磨きをかける。

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堀はスピードの緩急を使い分け、相手を抜き去るドリブラー。ゴールも取れる選手に変貌した。進学先はこの春に一挙5人がJリーガーになる関大に決めた。「パス主体のサッカーの中でプレーしたいと思った。早く試合に絡めるように努力します」と目を輝かせる。

部活動引退後も雪の積もるピッチで後輩と体を動かし、20日から4日間はドイツ・デュッセルドルフ国際大会に臨む日本高校選抜選考合宿にも参加。21日の日体大との練習試合では1得点を挙げ、中学以来のボランチでもプレーした。「即席チームで関係性を築きながら自分の良さを発揮することは難しかった。この貴重な経験を大学生活にも、つなげたいです」。

中学時代に1度、サッカーへの情熱を失いかけた。「行って変わらなかったらもう辞めよう」と父親のバックアップもあり、中2で1カ月間、スペインへサッカー留学。そこで同世代選手の練習に取り組む姿勢、地元のサッカー愛、スペインリーグのスタジアムの雰囲気を肌で感じ、情熱を再燃させた。「サッカー観が変わったし、うまくなった実感もあった。日本に戻り、また楽しく取り組めるようになりました」と当時を振り返る。

岐阜県出身もパスサッカーに憧れて帝京長岡に進学した。最終学年ではチームのエースナンバー14を背負いながら主将として約140人の部員を束ね、県総体、プリンスリーグ北信越1部、選手権県大会と「3冠」を達成。チーム悲願のプレミアリーグ初参入も勝ち取った。次の目標は関大の日本一貢献と、プロ入り。「初速やフィジカル面を鍛え、いずれ日本を代表する選手になりたい。将来はスペインでプレーしたい」。サッカーへの情熱を再燃させてくれた地での活躍を最大の目標に、自慢のドリブルで道を切り開く。【小林忠】

 

◆堀颯汰(ほり・そうた)2005年(平17)6月29日生まれ、岐阜県出身。小2で地元の少年団でサッカーを始め、小3冬からはドリブル集団のFC・DRACHE(岐阜)に所属。小6から中学はFCフェルボール愛知でプレー。帝京長岡高では1年からトップチーム入り。U-17新潟選抜、日本高校選抜候補。178センチ、70キロ。利き足は右。