サンフレッチェ広島の新本拠地「エディオンピースウイング広島(Eピース)」のこけら落としは、無念の逆転負けに終わった。

新本拠地第1号を決めたのは、広島のキプロス代表FWピエロス・ソティリウ(31)だった。後半3分にMF東俊希(23)のクロスに頭で合わせて先制。

だが、その後に連続失点し、前売り券も完売して観客2万6418人が詰めかけたEピースの初勝利はお預けとなった。

就任3年目のドイツ人、ミヒャエル・スキッベ監督(58)は「素晴らしいスタジアムで、両軍のサポーターも素晴らしい雰囲気をつくってくれた。これから勝利を積み重ねていきたい」と、まずは選手の健闘をたたえた。

広島は、昨季まで広島市安佐南区のエディオンスタジアム広島(Eスタ=当時)を本拠地にしていたが、今季から広島市中区基町に完成したEピースに移転。原爆ドームや繁華街に近く、アクセスの良さは抜群。「まちなかスタジアム」と呼ばれ、クラブのスポンサーで家電量販店のエディオンが命名権を取得していた。

地上7階建てで収容人数は約2万8500人(Jリーグ最多の42席種)。「恒久平和、夢、希望を持って明るい未来へ羽ばたく」の願いが込められ、翼をイメージして設計された。全席屋根付き、ピッチと観客席は各方面で最短8メートルと臨場感があふれ、キッズルーム、ミュージアムなども併設されている。

今季のJ1開幕戦は23日にEピースで行われ、浦和を迎え撃つ。リーグ戦で2年連続3位の広島は新スタジアムを拠地に、森保一監督時代以来となる9年ぶりのリーグ制覇を目指す。