東京ヴェルディのエースFW染野唯月(22)が、明治安田J1開幕を前に国立ゴールを誓った。

横浜F・マリノスを相手に25日、東京・国立競技場で開幕戦を迎える。冷たい雨が降る中で23日、練習を終えた染野はひと言ひと言、かみしめるように意欲を口にした。

「このためにやってきて、いろんな準備できた。チームの完成度も含めレベルアップできたので、この試合にかける思いは強い。注目度も高いので、勝たなきゃいけない」

染野と言えば、昨年12月の昇格プレーオフ決勝・清水エスパルス戦で後半アディショナルタイムに自らの突破からPKを獲得。決めればJ1昇格、外せばJ2という重圧がかかる中で冷静にゴールを決めた。

あまりに劇的な昇格劇の立役者とあって「国立男」と言っても過言ではない。染野は「いいイメージはできています。毎試合自分は点を取らなきゃいけない」。その上で「1試合1点。開幕戦でも取りたい。チームの勝利に向けて頑張りたい」と強い思いを口にした。

AFCチャンピオンズリーグで日本勢唯一8強に残っている強豪・横浜が相手。簡単な試合にはならないと考えている。

「個々の能力が高いですし、(最近のリーグ戦で)優勝している経験もある。自分たちからしたら厳しい試合になる。攻撃する時間が短くなると思うけど、焦れずに守備をしてしっかりチャンスをものにする。そうすれば勝てるのかなと思います」

チームの平均年齢は24・1歳という若いチーム。90分走れる走力が持ち味で、実績はないが未知数の伸びシロは大きい。

「1年間通して成長できるのは大きい。自分たちが懸ける思いや成長含めて何か得られるものが1試合1試合ある。自分たちで課題を見つけながらやっていきたい。楽しみですし、自分としてもJ1で再びできるのはうれしく思う」。

城福浩監督のもとハイプレッシャー、ハイラインという戦術に磨きをかけた。開幕まで2週間を切った時点では攻撃でのコミュニケーション面に不安を感じている選手は多かった。しかし実績ある指揮官の指導により、その不安は拭えたようだ。

「味方との連係も、どういう選手なのかと考えながらここまでやってきた。新しい攻撃だったら、いろんなパターンが生まれてくるのか、そういうのが開幕戦でも見られるのかなと思います」

大黒柱・染野の得点力とともに新生ヴェルディが躍動する。16年ぶりのJ1で戦う準備は整った。【佐藤隆志】

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