北海道コンサドーレ札幌MF荒野拓馬(30)が、今季開幕戦の24日アウェー、アビスパ福岡戦(ベススタ)で、主将としての初陣を迎える。クラブにとって敵地でのJ1開幕戦勝利は01年セレッソ大阪戦(2○1)以来遠ざかる。下部組織出身選手として初めて主将に就任した生え抜きが、23年ぶり白星スタートへ導く。

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荒野にとって記念すべき初戦だ。今季から第13代主将に就任した。23日、熊本・大津町内での前日練習を終えると、選手を代表して開幕への意気込みを語った。笑顔のFW菅らに取材の様子を見守られながら「ようやく開幕するんだという楽しみな気持ちでいっぱい」。引き締まった表情だった。

札幌U-15からクラブ一筋、高校時代にデビューを果たしたプロ13年目は、自覚と責任感をにじませる。1週間ほど前に「試合開始の円陣に遅れるっていう夢を見るくらい」と緊張気味だ。より気持ちを高めて臨むシーズンイン。キャンプ地から乗り込む札幌特有の難しさもあり、J1で敵地での開幕戦勝利は01年の1度のみ。23年ぶり白星へ「自分が走って戦って勝つんだぞって気持ちを前面に見せられれば」と、チームを引っ張る覚悟だ。

相手の福岡の主将は下部組織時代からの同期、元チームメートのDF奈良。「そういう日が来たんだな。お互い成長した姿でぶつかれるのはすごいうれしい」と感慨を深める。「奈良ちゃん」と呼び、公私で仲が良いが、試合ではライバル。「コイントスは絶対に負けないので大丈夫」と、主将同士として最初の“マッチアップ”でも先制する意気込みだ。

福岡、3月2日サガン鳥栖との開幕アウェー2連戦は、勝利にこだわる。「どういう形でも、結果としてポイントを持って帰って来る。それが勝ち点6であるように」と連勝スタートを狙う。ペトロビッチ監督からも内容より結果の姿勢を求められているという。この日の日刊スポーツの順位予想での最高でも7位の評価を見て、「絶対7位より上に行きます!」と宣言。闘争心あふれる荒野がまとめる新星札幌の船出を飾る。【保坂果那】