東京ヴェルディと横浜F・マリノスによる伝統チームによる国立開幕戦は、横浜が劇的勝利を収めた。前半7分に東京VのMF山田楓喜(22)が鮮やかなFKを直接決めると、横浜は後半44分にFWアンデルソン・ロペス(30)のPKで追いついた。さらにロスタイム3分、DF松原健(31)のゴールで勝ち越した。

得点シーン以外でも大きなインパクトを残した山田楓は、「フリーキックになった瞬間にもう蹴ると決めていたし、入ると思っていたので、当然それは入るよな、みたいな感じやった」と振り返った。

最初の位置から、VARにより約2メートルボールが前にセットされたが、当初から狙う気満々だった。ウオーミングアップのシュート練習でも感触がよく、前週の練習試合でもゴール左側から決めていた。「打ったら入るやろ」状態だった。

得点直後には、自身も含めていくつも決定機が訪れたが、決めきることができなかった。「どれか1個決まっていれば、また流れは変わったと思うし、それをマリノスに見せつけられた。後半ラストに決めきる力というのはやはりすごいなと感じましたね」と悔しがった。

それでも昨季のJ1で2位だった相手に、堂々とした戦いを見せた。「全然ネガティブなこともネガティブなこと考える必要もないと思う」と前を向いた。今季京都サンガF.C.から期限付き移籍で加入し、いきなりその存在価値を示した。「負けはしましたけど、全然自分たちも、個人としても全然やれるやん、という印象の方が多いので、たぶんこれからもっともっと練習積んで、意思統一もされていくので、どんどん勝っていけるんじゃないかなとは思います」。若きレフティーが東京Vの攻撃を引っ張る。【佐藤成】

【動画】伝統の一戦は東京Vが先制 新加入・山田楓喜が挨拶代わりの直接FK

93年J元年の伝説の一戦再び 横浜が終盤逆転で開幕戦勝利 東京V善戦も及ばず/ライブ詳細