モンテディオ山形が栃木を3-1で下し、2年連続の開幕2連勝を飾った。前半6分に先制点を献上。しかし、同21分にMFイサカ・ゼイン(26)のクロスが相手オウンゴールを誘い、試合を振り出しに戻すと、同31分、イサカのヘディングで逆転に成功。さらに5分後、再びイサカがFW高橋潤哉(26)の2戦連発弾をお膳立て。全3得点に絡む活躍でチームを2連勝に導いた。

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15分間の逆転劇だった。1点ビハインドの前半21分、ペナルティーエリア右からイサカのクロスが栃木のオウンゴールを誘った。同25分にはPKを与えるも、絶対的守護神・後藤雅がビッグセーブ。これが逆転に燃えるイレブンの心に火をつけた。同31分、勝利を決める今季初ゴールをヘッドで決めたイサカは「クロスが上がった瞬間に動きを変えた。『連続して動きを止めるな』というコーチの教えが実った」と振り返った。

雪辱を果たす勝利となった。昨季は開幕2連勝から一転、クラブワーストの8連敗。7連敗目が4月12日のアウェー栃木戦(1●2)だった。昨季同様、スタジアムの一角を「モンテブルー」に染めた山形サポーター。渡辺晋監督(50)は「今日はサポーターに必ず勝利を届けて、笑顔で帰そう」とイレブンに呼びかけた。その言葉通り、先制点を許すも、わずか15分間で3得点。1月16日からの4次にわたるキャンプを開幕2連勝で締めた。

屈辱を忘れずに「ゼンシン」する。昨季と同様の幕開けに指揮官は「キャンプが終わった達成感や2連勝の喜びの余韻に浸ると、また昨季のように足をすくわれる」と気を引き締めた。イレブンもその思いは同じ。「試合後のロッカールームで選手たちが自分と同様の思いを口にしていた。絶対にたくましく前に進んでくれると確信している」と、昨季の屈辱を糧に成長するイレブンに期待した。

次節は9日、アウェーで横浜FCと対戦する。イサカは「優勝を目指してるのでひとつも負けは許されない空気感がある。次も勝って、山形のホームに帰りたい」と、16日甲府とのホーム開幕戦前の3連勝を誓った。【木村有優】