川崎フロンターレの悲願は、かなわなかった。アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の決勝でアルアハリ(サウジアラビア)に0-2で完敗。初アジア王者の夢は、持ち越しとなった。枠内シュートを1本も打てない準優勝だった。アルアハリは初代ACLE覇者となった。
準決勝では、大会史に名を刻んだ。推定年俸320億円のポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドやセネガル代表FWマネらを擁するアルナスル(サウジアラビア)を3-2で撃破。そこからスタメン5人を変更し、MF脇坂泰斗主将(29)やMF家長昭博(38)を先発リストに並べて頂点に挑んだが、届かなかった。
長谷部茂利監督(54)は「悔しいです。鬼木(達)前監督から引き継いで、ここまではうまく持ってくることができましたけど、最後まで役目を果たすことができませんでした。悔しい思いでいっぱいです。少しなのか、大きくなのか、足りなかったところがある。(サポーターには)ここまで来て大声援を送ってくれて…。本当に報いたかったんですけど、申し訳ない。しかし、またJリーグが始まるので、今日の悔しさを晴らしていきたい」
前半、ボール支配率が相手の6割超で推移した中、均衡を破られる。0-0の前半35分、元ブラジル代表FWフィルミーノ(33)からパスを受けたブラジル代表FWガレーノ(27)が、ペナルティーエリア左角から右足を一閃(いっせん)。美しい放物線を描いてゴール右上にインスイング(内巻き)の超絶弾が決まった。ガレーノは今大会4点目となった。
直後の同42分に再びネットを揺らされる。左サイドバックの三浦颯太が右膝付近を負傷。治療でピッチを離れて数的不利の間、そのサイドから崩され、追加点を献上した。最後はフィルミーノの山なり右クロスから、コートジボワール代表MFケシエにフリーで頭を合わされた。
2点ビハインドの後半開始と同時に、FWエリソンに代えてFW山田新を投入して反撃に出る。同20分には、準決勝で得点を挙げたMF伊藤達哉と大関友翔を投入した。ボールを握る展開に持ち込んだが、準決勝から中2日で相手より1日少なく、気温30度超の中で1点が遠かった。最後までシュートを枠内に飛ばせなかった。
長谷部監督は2日の公式会見で「積年の思いを晴らす時、チャンピオンになるチャンスがきた」。アルアハリはサウジアラビアの政府系ファンドが保有し、国家を挙げて強化してきたクラブの1つ。フィルミーノや元マンチェスター・シティーのアルジェリア代表MFマフレズ、セネガル代表GKメンディら世界クラスのスターをそろえていた。
移籍情報サイト「トランスファーマーケット」によると、選手の総市場価値は約272億円で、川崎Fの約24億の10倍以上。長谷部監督は「お金を持ってプレーはできない。財布を持って、クレジットカードを持って選手はプレーしない」と独特の表現で度外視していたが、個のレベル差が、資金力の差が、そのまま得点差に直結した。
今季から新大会方式となり、準々決勝から中東ジッダで集中開催となった。その港湾都市に本拠を構えるアルアハリに力負けし、初の栄冠を許した。川崎Fは初の4強にとどまらず決勝にも駒を進めたが、勝ち切れなかった。
日本勢としては22年の浦和レッズ以来となる優勝を逃した。功績は色あせないものの、昨季の横浜F・マリノスに続く涙の準優勝となった。
【得点経過】
0-1 前半35分 ガレーノ(アルアハリ)
0-2 前半42分 ケシエ(アルアハリ)
【今大会の勝ち上がり】
▼1次リーグ 6勝2敗
▼準々決勝 川崎F 3-2 アルサド(カタール)
▼準決勝 川崎F 3-2 アルナスル(サウジアラビア)
▼決勝 川崎F 0-2 アルアハリ(サウジアラビア)



