鹿島DF内田篤人(20)が夢と希望を与えるプレーを見せる。11日の練習後、サプライズゲストが待っていた。昨年カナダでのU―20W杯で出会った日本人の母とカナダ人の父を持つ少年、ジェット君と感動の再会を果たした。「驚いたよ、カナダから会いに来てくれたんだ。大きくなっていたな~」。5歳の男の子の成長を感じ取った。

 U-20代表でジェット君はマスコット的存在だった。内田は練習後に肩車などをして遊び、選手バスにも乗せてあげた。代表戦のチケットもプレゼントし、小さなサポーターのために尽くした。ジェット君はしばらく日本に滞在、20日の横浜戦も観戦予定という。「いいプレーをしたいよね」とモチベーションも高まった。

 13日の東京戦では、仲間の夢の手助けもするつもりだ。14日の北京五輪代表発表前のラスト一戦。当落線上にいるFW興梠は9日の代表候補合宿での練習試合で前後半とも途中出場となり「これでメンバーに入ったら大逆転。『まさかの興梠』ですよ」と落選も覚悟している。だが内田は「あの使われ方は入ると思う」とスーパーサブでの選出を期待した。五輪代表スタッフが視察する中で、興梠のゴールをアシストできれば最高の援護射撃。内田が少年と仲間のために戦う。【広重竜太郎】