<J1:川崎F1-0千葉>◇第22節◇24日◇フクアリ

 正確無比、推定約30メートルの超ロングアシストで、ケンゴが魅せた。川崎FのMF中村憲は前半26分、ピッチ中央自陣寄りから右足を蹴り上げた。グングン伸びていく弾道は、ゴール前にピンポイントで落ち、FW鄭の2戦連続弾をおぜん立てした。

 「DFの裏はいつも狙っている」と言うとおり、計算ずくの「一撃」だった。千葉DFの足が止まり、鄭が動きだしたことを確認。落下地点でボールが止まり鄭が受けやすいようにと、バックスピンがかかるように蹴った。鄭と歓喜のハイタッチをし「珍しく、あいついい動きをしていたね」と会心の笑みを浮かべた。

 20日の親善試合ウルグアイ戦から中3日。75分間プレーしたうえ北海道への往復もあり、体調は万全ではなかったが、フル出場するつもりだった。それでも後半37分に途中交代を命じられた。「まだまだ自分の力が足りない。最後までやりきれるのが真に強い選手」。日本代表に定着しても「やるべきことがある」と妥協を知らない姿勢が、憲剛を進化させている。【村上幸将】