静岡県サッカー1部リーグの藤枝MYFCが27日に始動し、新監督に就任した元日本代表FW釜本邦茂監督(64=日本協会名誉副会長)が、初練習に姿を見せた。焼津市内で行われた練習前に、選手らと初顔合わせをし、抱負を語った。直接指導することはなかったが、練習を見守り選手に刺激を与えた。インターネット上で登録した会員がオーナーとなって運営するクラブで、4月の開幕に向けて1歩踏み出した。

 メキシコ五輪で銅メダルを獲得し、得点王にも輝き、日本サッカー界に大きな功績を残した「世界の釜本」が、小さなフットサル場に現れた。インターネット上のオーナーによってクラブ運営される試みを始めた藤枝MYFCの新監督として、この日始動した21人の選手を見守った。「元気があって活気もある。ここからどう頑張れるか」。監督業は94年以来15年ぶりだが、鋭い眼光で意気込んだ。

 日本初の新しい試みにひかれた。以前から縁のあった同クラブの小山淳社長(32)からオファーを受けると「面白いじゃないか!

 日本サッカーが変わるかも知れない。いいクラブをつくろう!」と一発で引き受けたという。同監督は月2度くらいをメドに訪れる予定で常時帯同はしないが「強化よりも、営業面でもアドバイスできると思う」と、みずから営業活動を行い、スポンサー獲得にも貢献していくつもりだ。

 12月のトライアウトを受け、ウェブ上の動画を見たオーナーに承認された第1号選手であるMF松村圭記(よしのり=24)は「あの釜本さんと一緒にやれるのはすごい」と刺激を受けていた。チームは4月にリーグ開幕を迎える。