<J1:千葉2-1東京>◇第6節◇18日◇国立

 昨季のミラクル残留劇を思い起こさせる、劇的な今季初勝利だった。敗戦濃厚な中で、千葉の駒大同級生FWコンビが気を吐いた。後半41分、左サイドからのクロスに走り込んだ巻誠一郎(28)が合わせてまず、同点。スーツ姿のミラー監督は何度もガッツポーズをし、選手には「落ち着け」と叫び続けた。

 巻は冷静に相手の様子を観察していた。「センターサークルからずるずる引き上げる東京の選手を見て、行けると思った」。その思いが深井正樹(28)に届く。「巻が取ったので、自分も取りたかった。もう1回ビッグチャンスが来ると思った」。ロスタイム突入直後、右サイドを突破した深井は、GKと1対1も、冷静に左足で流し込んだ。ミラー監督は、昨年最終節東京戦の大逆転劇(4ー2)と比較しながら「今日の方が良い。相手に脅威を与えられるサッカーだ」。しぶとい千葉がようやく目覚めた。