<高校サッカー:流通経大柏3-0立正大淞南>◇準々決勝◇5日◇フクアリ

 流通経大柏(千葉)が立正大淞南(島根)に完勝。4大会ぶりに4強進出した。東京入団が内定しているレフティー、左MF小川諒也(3年)が得意のFKで2点に絡んだ。

 前半25分、ゴール正面25メートルから枠の右下へ曲がり落ちるFK。こぼれ球をFW渋谷が押し込んだ。31分には右サイドからFKを放り込むと見せかけ、縦へ走る右MF久保へパス。久保のクロスをDF山田が流し込んだ。小川は「(その後の)PKを外したのが悔しいけど、長所をつぶし合う戦いの中でセットプレーは重要。良い形で点が取れた」とうなずいた。

 試合のない前日4日。本田監督は完全休養日を指示した。だが選手から「体を動かしたい」と逆提案。FK、CKの確認を中心に軽めに調整した。その結果、「昨日から感触が良かった」という小川のFKから練習通りの2点が生まれた。

 声援を送った母陽子さんによると小川の血液型はRHマイナスで、陽子さんはRHプラス。極めて珍しい状態で妊娠し、流産や障害の可能性も指摘された。「それでも生まれてきたのは本人が諦めなかった。生命力の強い子だと思う」。生後も病弱な時期が続いたが、現在は腰痛をおして休日返上練習を行うほどガッツある選手に成長。「自分たちが目指しているのはあくまで全国優勝。4強に満足せず、優勝まで勝ち取りたい」と宣言する姿はたくましかった。【千葉修宏】