<J1:G大阪3-2福岡>◇第11節◇15日◇レベスタ

 G大阪はMF宇佐美貴史(19)の独走ゴールなどで、福岡に競り勝った。

 宇佐美が、「驚異」の50メートルドリブル弾で目覚めた。アウェーの福岡戦、1-1の後半8分に自陣センターサークルから加速。ペナルティーエリア手前で相手DFを振り切ると、左足で今季リーグ戦初ゴールを決めた。「アドリアーノが右に流れてくれたんで。いい感じでいけました」。右手で力強くガッツポーズした。

 “2年目のジンクス”にはまった。昨季はベストヤングプレーヤー賞(新人王)を受賞も、今季は開幕からACLを含めて8試合連続無得点だった。

 宇佐美

 スタイルを見失っていた。こぢんまりしていたというか。自分は突破が持ち味。人と違う武器を、しっかり整理した。

 中盤でのゲームメークを意識しすぎて野性味が消えていた。2度の先発落ちを味わい、ユース時代の監督でもある松波コーチに指摘された。「キレイにプレーしようとし過ぎている。もっと泥臭く貪欲に」。11日のACL天津泰達戦では遠藤にPKを譲られ、何とか初得点。周囲の気遣いも感じた。後半12分には右足のシュートのこぼれ球をMF二川が得点。日本代表ザッケローニ監督が見守る中で、好アピールした。

 宇佐美

 あの1本だけじゃなく、1試合通してやらないと。まあ、しっかりアピールになったかなあ、とは思います。

 「ロンドン世代の軸」と言われながら、今日16日からのU-22(22歳以下)代表合宿メンバーから落選した。「まだまだ。もっともっとできると思うし、自分を見失わないようにしたい」。壁を乗り越えかける19歳が、1年後のロンドン五輪で日本の「脅威」になる。【近間康隆】