磐田の宮崎智彦(26)が、次節のホーム広島戦出場をアピールした。前節清水戦に途中出場したDFは、17日の練習で安定した守備に加え、居残りで磨きをかけたクロスを上げ続けて調整。広島は同じ3バックで右サイドを突破口に得点を重ねているだけに、左サイドで相手の攻撃を封じての今季初勝利を誓った。

 左サイドの宮崎はこの日、居残り練習で黙々とクロスを上げ続けた。浮き球、低いスピードボールなど種類も精度も確実に増している。エース前田遼一(31)からは「こっちが合わせるから相手の嫌なところに上げればいい」とアドバイスを受けたという。「前田さんはどこでも点を決められるので信頼しています」。

 開幕スタメンを勝ち取るも、4節とナビスコ杯3試合はベンチ外。守備の安定感はあるが「3バックのこの位置で、自分に足りない部分は攻撃への貪欲な姿勢と得点のにおい」と、攻撃面を意識して練習を重ね、5節浦和戦でベンチに戻ってきた。ナビスコ杯湘南戦で先発復帰し、前節清水戦で途中出場。スルーパスやクロスで好機をつくり、ゴール前に入る場面も多くなり「今までの自分になかった部分がついてきている」と手応えを口にした。

 広島は同じ3バックだ。右サイドのMFミキッチ(33)の突破とクロスから得点が生まれている。守備の強い宮崎がミキッチ封じに起用される可能性が高い。「右は広島のストロングポイント。出られれば僕はあまり引きすぎず、高い位置を取らせないようにしたい。相手の良さを引き出させないように自分から仕掛けていきたい」と意欲を見せた。

 今季リーグ戦は未勝利だ。練習場にはサポーターが「俺達は信じている」の横断幕を掲げエールを送った。内容で相手を上回る試合が続き、日本代表DF伊野波雅彦(27)は前節清水戦に「ここ(磐田)に来て初めて手応えはあった。あとはもう勝つだけ、点を取るだけ、最後のところでしっかりマークにつくだけ」と力強い。宮崎も「すべてがすべて、負けているわけではない。磐田のサッカーを貫き通して勝ちたい」。昨季王者をホームで倒し、連勝街道へ突き進む。【岩田千代巳】