ベガルタの新戦力が、今季初の対外試合で結果を出した。仙台は鹿児島キャンプ最終日の1日、さつま町内で九州大学リーグ2部の鹿児島大と練習試合(45分×2)を行い、合計7-0で快勝した。MF武井択也(28=G大阪)が先制アシスト、DF鈴木規郎(29=大宮)は直接FKを決め、MF八反田康平(24=清水)も2得点1アシストと活躍。アーノルド監督(50)も「パーフェクト」と手応え十分で第1次キャンプを打ち上げた。

 移籍1年目から定位置奪取を狙う3人が、強烈にアピールした。まずは角田とのダブルボランチで出場した武井だ。1本目の15分、中盤でボールを受けると相手2人に囲まれながら前方へスルーパス。「勇人くんなら走り込んでると思った」とG大阪でもチームメートだったMF佐々木との抜群の連係を見せ、先制点をアシストした。その後も積極的に声を出してボールに絡み、安定感十分の守備も見せたが「周りがどんな動きをするか何となくわかったけど、まだ50点くらい」と満足する様子はない。

 武井に負けじと左サイドバックの鈴木も魅せた。28分、ゴール右寄り約25メートルの位置でFKを獲得。絶好のチャンスに「自分の価値を上げていきたかった」とMF梁に許可を得て左足を振り抜くと、ゴール左隅に突き刺さった。豪快な“ノリカル砲”さく裂に「狙い通り。プロのGKでもキャッチはできない場所に蹴れた」とニヤリ。最大の武器に加えて迫力満点のオーバーラップも披露し、ポジション争いで1歩リードした。

 新加入組の活躍を見ていた八反田も黙っていなかった。2本目に左MFで出場。持ち味のチャンスメークで存在感を発揮していたが、一瞬のスキを見逃さなかった。18分、DFライン裏のスペースを見つけてFW武藤とのワンツーから抜け出すと「決めるだけだった」と右足で流し込んだ。35分にはドリブルで中央に切れ込んで2点目。その直後にはFW柳沢のゴールをアシストした。始動から2週間で周囲との呼吸はピッタリ。「いいコンビで崩せたので、なじんできたと思う」と手応えを口にした。

 前所属チームで出場機会に恵まれなかった選手たちが結果を出し、昨季までの主力組に大きな刺激を与えたのは間違いない。開幕スタメンをかけたサバイバルは、第2次延岡キャンプからさらに激化する。【鹿野雄太】