<ACL:広島3-1ウエスタンシドニー>◇決勝トーナメント1回戦第1試合◇7日◇広島

 初の決勝トーナメントに進んだ広島が、第1戦では日本勢で唯一の勝利をつかんだ。立役者となったのは日本代表候補の金髪FW石原直樹(29)だ。

 後半6分に先制点を決めると、同20分にはこぼれ球をループシュート。2得点に「後半に絶対チャンスが来ると準備していた。何としても1点取りたかったし、良い結果になってうれしい」と喜んだ。同じ金髪で代表候補のDF塩谷が今季はゴールラッシュを続けたが、本職の石原が輝き返した。

 1次リーグではアウェー北京国安戦で得点。同リーグで6戦中5試合をフル出場するタフな男だ。J1でもここまで11試合3得点。身長の高い海外勢に攻める姿勢が持ち味だが「さすがに今日の相手は高いなと感じた。でも日頃から厳しい戦いの中でやる意識はしている」と胸を張った。

 先制点をアシストしたMF柏は「(石原)直さんは体も強くて、自分がサイドを走るための時間をつくってくれる。2点目も時間が止まるようなループシュートだった」と信頼を置いた。森保監督は「体格は違えど、フィジカル的な戦いでも相手を上回ってくれる。前線で良い起点になって重要なゴールを決めるという仕事をしてくれた」と評価した。

 4月の日本代表候補合宿で追加招集でチャンスを得た。W杯代表へわずかな望みとはいえ国際試合で結果を残した。石原の活躍で広島がベスト8に王手をかけた。【辻敦子】