来年度の天皇杯決勝は、16年1月1日に味スタで開催されることが12日、濃厚となった。現在、決勝戦開催に向け、東京都サッカー協会と大阪府サッカー協会が競合している。今日13日に東京・文京区のJFAハウスで開かれる日本協会の理事会で話し合われ、承認された上で、発表となる見込みだ。

 天皇杯は元来「元日国立決勝」で定着してきたが、国立競技場が改修工事に入ったことや、来年のアジア杯(1月9~31日、オーストラリア)日程などを理由に、今大会は12月13日に横浜国際で決勝戦を行うことが決まっている。日本協会はすでに、来年度大会は元日決勝に戻す方針を固めており、その上で、国内の各地方協会とスタジアムに決勝戦開催の申請を募った。日本協会関係者は「今回は、味スタと吹田市の新しいスタジアムから申請があった」と話す。

 16年度からG大阪のホームとして使用される大阪・吹田市に新設中のスタジアムは現在、順調に工事が進んでいる。来年10月には完成予定で、来年度の天皇杯決勝をオープニングゲームとして考えている。一方、味スタは昨年に続き、2年連続で申請していた。

 理事会の審議で最終決定となるが、まだ完成されていない吹田市のスタジアムより、味スタが2年連続で申請している熱意や、J公式戦をこなしてきた実績が評価される可能性が高い。味スタに決まれば、日本サッカー界の冬の風物詩といえる元日決戦が、2年ぶりに東京に戻ってくる。

 ◆天皇杯

 日本サッカー界最古の大会。1919年(大8)イングランドサッカー協会から純金製のカップが寄贈されたことを契機に、2年後「大日本蹴球協会」が設立され、その2カ月後の同9月に「ア式蹴球全国優勝競技会」として、第1回大会が開催された。決勝戦が国立で行われるようになったのは67年度大会から。「元日国立決勝」となったのは、翌68年度大会から。今大会は67年度大会以来初めて国立以外(横浜国際)開催。決勝戦の元日以外の開催は、68年度大会以来初で、12月13日に行う。