サッカーW杯カタール大会は20日に開幕する。来日17年目の北海道コンサドーレ札幌ペトロビッチ監督(65)が大会を展望し、広島時代の愛弟子、森保一監督(54)率いる日本代表に自信を求めた。23日1次リーグ初戦の相手ドイツに対し「自分たちは格下と思わない方がいい」、「互角以上に渡り合える力はある」と太鼓判を押す。【取材・構成=保坂果那】

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ペトロビッチ監督は06年に広島の監督に就任し、12年から浦和、18年から札幌で過ごし、来日17年目。日本代表を見続け、今大会のメンバーを高く評価する。海外組は26人中19人で過去最多となった。

「今回の代表チームは過去のチームと比べても私は質の高い選手が一番そろったチームだと思っている。海外で活躍している選手が過去に類を見ないくらい多いからだ。今、日本人選手は各国のトップリーグでレギュラーとして試合に出ている。今の日本代表の質の高さを表していると思う」

23日の1次リーグ初戦の相手はドイツ。普段からブンデスリーガの試合をチェックし、浦和時代の教え子のMF遠藤(シュツットガルト)らの活躍を知っている。FIFAランクは日本が24位に対し、ドイツは11位。4度の優勝経験がある強豪相手でも、日本への期待を高める。

「遠藤や鎌田ら、彼らが十分にそのレベルで戦えることを証明している。決して日本代表が見劣りすることはないと思う。日本人の多くの方々やメディアも含めて『ドイツは強い』『ドイツの選手たちはレベルが高い』『自分たちは格下』と思っていると思うが、そういう風に思わない方がいいんじゃないか。ブンデスリーガの中で十分にドイツの代表たちと戦っても遜色ない活躍をしている選手が日本人にいる。日本代表はW杯に出場するどこのチームとやっても十分に互角以上に渡り合える力はあると思う」

心配するのはメンタル面。強い気持ちを持って臨むことを求める。

「大きなプレッシャーがかかる中でどれくらい気持ちを強く持てるか、自信を持てるかが大事。日本の問題は自信の部分。自分たちは十分やれるって思いを持ってしっかり戦えるかどうか」

ドイツをこう分析する。

「ドイツは非常に規律があり、フィジカルが強い選手がいるチーム。運動量、球際の強さ、体の大きさを生かしたセットプレーが強み。彼らはどんな状況に陥っても、最後は自分たちが勝つんだって自信や強いメンタリティーを持っている。そういう相手に隙を見せてしまったらやられるだろうし、弱気になれば食われてしまう。恐れる気持ち、怖がる気持ちが一番の敵だ。日本は非常にモビリティー(運動性)と連動性のある動きができるチーム。そうした部分はドイツに強さを発揮できると思う」

優勝チームを予想した。「4番目に日本だ」と笑いながら、3カ国を挙げた。

「私はアルゼンチン、ブラジル、ドイツの3チームを予想する。ベルギー、フランスはケガ人が多い。イングランドはそこまでかな? ドイツは短期大会で必ず結果を残してきた過去がある」

優勝する可能性を持つドイツ相手に日本がどれだけ戦えるか、楽しみにしている。