イングランド代表として通算48ゴールをマークしているゲーリー・リネカー氏はかつて「フットボールは単純なスポーツだ。22人の男が90分間ボールを追いかけ、最後はドイツが勝つ」という名言を残し、ドイツ代表の強さを表現した。

当時のドイツはフィジカルと「ゲルマン魂」とも呼ばれる精神力で他チームを圧倒していた。現在のドイツ代表にもこれらの要素は当てはまるが、さらに現代的にアップデートされた選手たちの象徴が弱冠19歳のムシアラ(バイエルン・ミュンヘン)だ。

ドイツ代表のレジェンド、ローター・マテウス氏をして「メッシのようだ」と言わしめる神童。1対1で仕掛けることを好み、フィジカルだけではなく巧みな足元の技術と緩急をつけたドリブルで相手を抜いていく。

ムシアラはシュツットガルト生まれだが、家族でイングランドで暮らしていた時期があり、世代別代表ではイングランドでプレーした。1対1の仕掛けなどはそこで学んだ要素が強いという。「メッシと比べられるのは光栄。でも僕はまだキャリアをスタートさせたばかりで、彼は人生の頂点にいる。僕は自分自身に集中するだけだ」という童顔の天才が日本に襲いかかる。