前回準優勝のクロアチアがベルギーと引き分けて、F組2位で決勝トーナメント進出を決めた。

引き分け以上で進出が決まる大一番で、37歳のルカ・モドリッチを中心にベルギーの猛攻をしのぎきった。5日の決勝トーナメント1回戦ではE組1位の日本と対戦。悲願の8強入りを目指す日本に勢いを増してきたクロアチアが立ちはだかる。

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クロアチアがベルギーとのサバイバル戦を制した。37歳のMFモドリッチが縦横無尽に動き、攻守にチームを引っ張った。ベルギーMFデブルイネとの世界最高MF対決が注目を集めたが、勝敗を分けたのはチーム力だった。

先発平均年齢が31歳95日のベルギーに対し、クロアチアはベテランと若手が融合。FWルカクやE・アザールらスター軍団の個の力を、組織力で上回り、猛攻をはねのけた。

18年ロシア大会で準優勝したが、昨年の欧州選手権では決勝トーナメント1回戦で敗退。モドリッチ頼りでベテラン優遇だったが、ダリッチ監督が方針転換。実力主義で若手を起用し、ベテランとの競争でチームが活性化した。

ベルギー戦でも、攻守のつなぎ役として動き回るモドリッチを中心に前半は試合を支配。FWルカクを投入したベルギーが攻勢を強めた後半には、20歳のDFグバルディオルが奮闘。ルカクに決定的な仕事をさせず、見事完封した。ダリッチ監督が「世界最高のディフェンダー」と称賛した新たな才能が、ベテランと若手の融合の象徴だ。

モドリッチはチームを準優勝に導いた前回大会同様に、今大会もピッチを動き回った。今大会で4度目のW杯だが、その動きは衰え知らず。レアル・マドリードを5度の欧州CL王者に導き、今年6月には、チームとの契約を1年延長。母国でも献身的なプレーは変わらない。

F組2位で決勝トーナメント進出を決めた。試合後、モドリッチは同1回戦へ「どんな相手でも僕たちには苦戦するだろう」と自信を漂わせた。その相手は日本。母国を初タイトルに導くため、日本に負けるわけにはいかない。

 

◆日本のクロアチア戦 国際Aマッチ通算1勝1分け1敗。W杯では過去に2度対戦して1分け1敗と勝利がない。どちらも1次リーグ第2戦だった。98年フランス大会でFWスーケルに得点を許して0-1で敗戦。この大会でクロアチアは3位と躍進した。06年ドイツ大会では0-0で引き分け、ともに決勝トーナメントへ進めなかった。