アフリカ選手権に参加しているサラー、マネ両FWが不在の中、リバプール南野拓実(27)が思うようにアピールできていない。

南野は昨年12月22日のイングランド・リーグ杯準々決勝レスター戦の後半45分に劇的同点ゴールをマーク。チームをPK戦の末の勝利に導いた。

だが、さらに存在感を増していこうという時に筋肉系の故障に見舞われ、その後のリーグ戦2試合を欠場した。

南野は今月9日のFA杯3回戦シュルーズベリー戦に途中出場して戦列復帰。しかし復帰後の公式戦5試合で先発はわずかに1度。ゴールも16日ブレントフォード戦での「バースデーゴール」のみとなっている。

現在、リバプールの前線では今季リーグ戦で10ゴールを挙げているジョタと同4ゴールのフィルミノがレギュラー格。南野は残り1枠を争う形だが、クロップ監督は本来MFであるオクスレードチェンバレンのFW起用に傾いている。また20日のイングランド・リーグ杯準決勝第2戦・アーセナル戦では南野ではなく17歳のゴードンを先発させている。

地元紙リバプールエコーも南野について懸念を示し「(サラー、マネ不在の)1月は南野にとって輝く時になるはずだった。だがふたを開けてみれば先発は1試合だけ。ゴールも途中出場からの1点にとどまっている」と記している。

アフリカ選手権は2月6日で終了する。サラーのエジプト代表、マネのセネガル代表がどんなに勝ち進んだとしても、2月6日を過ぎれば2人は帰ってくる。リバプールエコー紙はリバプールの次戦、2月6日に行われるFA杯4回戦カーディフ戦が南野にとって「爪痕を残すための最後のチャンス」とした。

対戦相手の質、日程の厳しさ等から考えても、現在プレミアリーグが世界で最もタフなリーグであることは間違いない。そのリーグの中でも一、二を争う強豪リバプールに所属し、日本代表でもエースとして期待される南野については、もっともっと評価されるべきだと思う。

南野がリバプールでの立ち位置を確固たるものにしようとするたびに代表に呼ばれ、リバプールでの序列が思うように上がらない姿を見ると気の毒に思うし、こんなことを書くと怒られるかもしれないが、南野には代表以上にクラブで成功してほしいと思う。

ポテンシャルはあるし、周囲の状況やタイミングが合えばさらなる高みを目指せるはず。欲張り過ぎかもしれないが、野球の大リーグにおける大谷翔平のような存在になってほしいと願うばかりだ。【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)