仲間と抱き合い、ハイタッチで勝ち点3を喜んだ。

 大声援に支えられた地元ロシアから決勝点を挙げ、ポルトガルに初勝利をもたらした大黒柱のFWロナルド(レアル・マドリード)は「僕らはまぐれで欧州選手権を制したわけではない。だからこそロシアに敵地で初めて勝てた」と誇った。

 前半8分だった。ドルトムント(ドイツ)でプレーする左のDFゲレイロからクロスが入る。慌てて下がるDFを尻目に、いち早く遠いサイドで待ち構えた背番号7が頭で合わせた。風格漂う余裕の一撃だった。

 欧州CLで5季連続の得点王に輝き、Rマドリード(スペイン)の2連覇に貢献。レアルがシーズン終盤は2トップを採用したことから、ロナルドはサイドを突破して得点も奪うアタッカーから、ゴール前の仕事により専念するFWに変貌を遂げた。

 ポルトガル代表でも点を取るという最も重要な役割を全うする。後半途中からはワントップとなり、中2日の過密日程の中でフル出場。32歳の主将が、母国を力強く引っ張っている。