オランダ1部ヘーレンフェインのMF小林祐希(25)が、日本代表の“遅れたヒーロー”になる。4日、古巣東京ヴェルディの練習場で自主トレーニングを打ち上げた。6月のW杯ロシア大会アジア最終予選の日本代表には選出されなかったが、来年の本大会に向けて「チームで試合に出ていたら絶対に行けると思っている。試合に出てチームが勝つことを先に考えたい。ヒーローは遅れてやってくるよ、と自分にいい聞かせてます」と語った。来季も同クラブでプレーすると明かし、2桁得点を目標に掲げた。

 昨年5月から頭と心を鍛えるため瞑想(めいそう)トレーニングを取り入れた。プレー中の「判断」から「決断」するスピードを上げるためだ。朝晩、部屋を薄暗くして目をつぶり、思考を沈め、五感を研ぎ澄ます。最近は周囲の景色もゆっくり見えるようになったという。6月末にジュビロ磐田で練習した際、名波浩監督から「プレーに邪念がないね」と変化を指摘された。「自分の夢はW杯だけではない。チャンピオンズリーグにも出たいし勝ちたい。そのためにも、冬までには5点取ります」。心身ともにたくましさを増した小林が夢へ向かう。【岩田千代巳】