スペイン1部レアル・マドリードのスペイン代表FWアルバロ・モラタ(24)が、プレミアリーグのチェルシーに移籍した。19日(日本時間20日)両クラブが発表した。モラタが契約内容に合意し、身体検査で問題がなければ正式に移籍が成立する。

 スペイン紙アスは、移籍金8000万ユーロ(約105億円)で、年俸900万ユーロ(約11億8000万円)の5年契約を結ぶことになると報じている。

 モラタは19日に米ロサンゼルスで行われているRマドリードのキャンプに参加せず、英ロンドンに向かう飛行機に乗り込んだ。アス紙の取材に「Rマドリードを去るのは悲しいが、チェルシーで全てが好転することを期待している。Rマドリードに戻ることは…難しい。考えていないよ」と答えた。

 モラタは、Aマドリードからヘタフェを経て、08年にRマドリードの下部組織に加入。10年にトップチームに帯同するようになり、12年に正式に昇格した。しかし10年から14年までリーグ戦37試合に出場し10ゴールと出場機会に恵まれず、14年7月にイタリアのユベントスに移籍。2シーズンで63試合に出場し、15得点を挙げた。14-15年の欧州CLでは、準決勝でRマドリードと対戦し、2試合で2ゴール決めて古巣を下し、決勝でバルセロナに敗れたがゴールを決めている。

 その後、16-17年にRマドリードに復帰したが、FWロナルド、ベンゼマ、ベールの“BBC”の牙城を崩すに至らず、定位置を確保できなかった。29試合出場11ゴールのベンゼマを上回る、26試合出場15ゴールを記録したが、ジダン監督の信頼は得られなかった。6月3日の欧州CL決勝でユベントスを下し優勝した際も、残留を口にしながら喜びの輪から1人、外れるなど退団を示唆する行動を取っていた。

 今オフにはRマドリード時代に指導を受けた、モウリーニョ監督率いるマンチェスター・ユナイテッドやACミランが獲得に動いていると報じられ、一時はACミラン入りが目前と見られたが、チェルシー行きを選んだ。モラタは、アス紙の取材に「僕のことを、最も信用してくれる監督のいるチームに入る」と答え、チェルシーのアントニオ・コンテ監督への信頼を口にしている。

 モラタのユベントス移籍が決定した14年7月当時、コンテ監督はユベントスの監督を電撃退任しイタリア代表に就任したが、同監督が退任前に戦力を編成した段階で、モラタを構想に入れていなければ移籍は実現しなかったことは間違いない。モラタは「たくさんの不思議なことが起こった夏も、もう終わり。僕のことを望んでいたクラブに行く…神が望むなら」と、あらためてコンテ監督への信頼を強調した。