ドルトムントが2-0でマインツを下し、9試合ぶりの勝利を挙げたのを受けて、13日の独紙ビルトは「シュテーガー新監督はこうやってドルトムントを立て直した」との見出しで、以下のように伝えた。

 ペーター・シュテーガーはドルトムントに安定をもたらすべくやってきた。彼はそれを見事にやってのけた。わずか56時間でドルトムントの息を吹き返らせた。

 第5節以来の無失点。73日ぶりのブンデスリーガ勝利となった。無失点の理由の1つは走行距離にあった。この試合のチーム総走行距離120・8キロは最高記録。ペーター・ボス監督時には平均115キロだった。前節のブレーメン戦でも120・3キロとベスト2位となる距離を走っていた。

 高い位置からのリスクの高いプレッシングをやめた。ボールをコントロールし、ボール保持率58%、90%以上のパス成功率をマーク。バイグルはまたなじみの役割でプレーし、成功率95%とゲームをコントロールした。ボール支配率が上がったことで守備の安定とポジショニングのコントロールにもつながった。

 守備ラインの高さも修正された。この試合では4バックとGKビュルキの距離は22・2メートルほど。ボス監督時には平均24メートル。4バックからゴールラインまでの距離も縮まり35・2メートル。これまでの39メートルから4メートル弱守備位置が下がった計算になる。

 シュテーガーは勝利後「すべてについては話をする時間はなかった。チームと知り合ったばかり」とコメント。そして前任者のボスについて「いい仕事をしたに違いない。誰も彼のことをネガティブに話していない。このチームにとっていいことを多く残してくれた。チームには成功体験が必要だった」と話す。

 シュテーガーには心理療法士としての手腕も問われている。チーム内にはオバメヤンやゲレイロのグループとシュメルツァーやシャヒンのグループとの間に溝ができている。シュテーガーがこの溝を埋めることに成功できたら、ドルトムントは後半戦また本物のトップチームになることができるだろう。